‘NPO法人設立要件’
NPO法人の運営に関する要件
⑴ NPO法人の活動について
① 特定の個人または法人その他の団体の利益を目的として事業を行ってはならない。
② 特定の政党のために利用してはならない。
⑵ NPO法人社員総会
① 通常総会は少なくとも毎年1回開催しなければなりません。
② 理事が必要と認めるときや総社員の5分の1以上から総会の請求があったとき(この定数は定款で増減できます。)は、臨時総会を開催することができます。
③ 法人の事務は、定款で理事等の役員に委任しているもの以外は、総会の決議に基づいて行います。
⑶ 財産目録の作成
① NPO法人は設立のときに、財産目録を作成し、主たる事務所に備え置かなければなりません。
⑷ NPO法人の会計について
① 会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。
② 財産も黒く、貸借対照表及び収支計算書は、会計簿に基づいて収支及び財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとすること。
③ 採用する会計処理の基準及び手続きについては、毎事業年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。
⑸ NPO法人の監督等について
所轄庁は、法令違反等一定の場合に、法人に対して報告を求めたり検査を実施したりすることがあり、場合によっては改善措置を命じられることもあります。この命令に違反した場合には、NPO法人設立認証を取り消されることもあります。
また、特定非営利活動促進法を違反した場合には罰則が適用されることがあります。
役員に関する要件
- 理事3人以上、監事1人以上であることが必要です。
NPO法人設立のためには、理事と監事が必要となります。
基本的には理事長がNPO法人を代表します。
監事は、理事の業務、法人の財産の状況について監査します。
監事は理事または法人の職員を兼ねることはできません。 - 役員が欠格事由に該当しないこと
① 成年被後見人または被保佐人
② 破産者で復権を得ない者
③ 禁錮以上の軽を書せられ、その執行を終わった日またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
④ この法律または刑法の一定の法律により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
⑤ 暴力団の構成員等
⑥ 法第43条の規定によりNPO法人設立認証を取り消された法人の解散時の役員で、取消しの日から2年を経過しない者 - 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
- 親族等の制限規定に違反しないこと
役員のうち、それぞれの役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が一人を超えて含まれ、または当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員の3分の1を超えて含まれてはいけません。
つまり、役員が6人であれば本人以外の親族が1人だけ、役員に加えることができます。 - 暴力団または暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと。
これらがNPO法人の役員に関する要件になります。
社員に関する要件
NPO法人で言う社員とは、一般的に言う法人に雇用されている職員・従業員を指すものではなく、NPO法人の活動を左右する社員総会で議決権を有する者が社員と呼ばれます。社員は、法人でも、日本人でも外国人でもなることができます。
NPO法人設立に必要な社員に関する要件
- 10人以上の社員が必要
- 社員の資格の得喪に関して不当な条件をつけないこと
※社員の入会にある程度の条件をつけることは可能ですが、NPO法人の目的に照らして合理的なものでなければなりません。
また社員の退会は自由でなければならず、これら社員の資格取得と喪失については定款に明示する必要があります。
活動に関する要件
NPO法人は不特定かつ多数のものの利益のために活動しています。
ですから次のような活動は認められません。
- 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とすること。
- 政治上の主義を推進し、支持し、またはこれに反対することを主たる目的とすること。
- 特定の公職の候補者(候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者または政党を推薦し、支持し、またはこれらに反対することを目的とすること。
特定非営利活動を主たる目的とすること
特定非営利活動とは、特定非営利活動促進法に規定する活動に該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいいます。
具体的には次の17分野になります。
- 保健、医療または福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護または平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発または雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の活動 (さらに…)